9月14日に行われた報道機関向け説明会において、SAPジャパンはクラウドサクセスサービス(CSS)の新たな事業戦略を発表しました。この動向は、旭化成がSAPの「S/4 HANA」を利用して基幹システムを一新する事例を踏まえたものです。
CSSの新たな枠組みでは、SAPが提供するクラウド製品の導入から活用までを一貫してサポートすることが強調されました。この取り組みは、堀川嘉朗氏が率いる国際的なカスタマーサクセスチームの努力に支えられています。チームは、全世界でおよそ2万2000人の専門家が、顧客への貢献やパートナーエコシステムの拡大、さらにはエクスペリエンスの簡素化といった目標を追求しています。
堀川氏は日本での戦略の3つの主要な焦点点を示しました:(1)カスタマーバリューの実現、(2)CSS自身の変革、および(3)スケーラブルなサービスの提供。特に、「アウトカムサクセスプラン」の導入は、顧客と協力してビジネス価値を創出する新しいモデルを築き上げるための重要な方法論として強調されました。
CSSの自身の変革に関しては、カスタマーサクセスパートナーを中心とした組織体制の改善と顧客の真の価値理解への教育と実践が強化されます。また、スケーラブルなサービスの面では、日本語の制約を超えてグローバルな視点とネットワークを活用する取り組みが進められています。
CSSは3つの層で構成されるサービスを提供しており、基盤となるコンテンツとサービス、拡張されたサポートとサービス、そして個社向けの特別なエクスペリエンスを提供します。その中でも、「SAP Preferred Success」は特筆すべきサービスであり、クラウド利用の促進と人材の育成を目指しています。
さらに、10月からは「SAP MaxAttention North Star」が国内展開される予定です。これにより、SAPの全ポートフォリオをカバーし、中長期のビジネスとIT戦略の視点からロードマップの作成などのサービスが提供される予定です。
力強いビジョンと明確な戦略に裏打ちされたこの発表は、SAPジャパンがクラウドサービス分野でのさらなるリーダーシップを目指していることを示しています。特に、顧客と共に価値を創出しようとする取り組みは、企業と顧客との強固な関係を築き上げる新しい道を示していると言えるでしょう。
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